2030年の目標達成迄残すところ7年となった2023年の5月は、アフターコロナで奈良も賑わいを戻しつつあり、観光にまつわる宿泊、飲食、商店や、公共機関などは胸を撫でおろしていることでしょう。もちろん私たちの会社も卸先様や直営店のお陰もあり、元気を取り戻してきました。
「売ること」に夢中になると「売れるモノ」に関心が行き、売り上げが少し伸びると調子に乗るのは自然なことですが、私たちメーカーの使命として忘れてはいけないのは、持続可能な開発のための目標でもある「SDGs」です。
年2回、自社商品の企画を考える時期があるのですが、今は丁度来年の春夏の商品企画をスタートしています。
主になる素材は自然素材(麻、綿かや生地等)ですが、少し探すだけでもそれはそれは沢山の素材があふれています。
サステナブル素材と言われるものだけでも驚くくらいの種類があります。
オーガニックコットン、バイオマス、再生セルロース、リサイクル素材、アニマルフリー、フェアトレードの素材、無水染色、、、理解しながら自社商品に取り入れていく難しさを感じつつ、原点に戻り環境を考えると、いかに多く商品を作りすぎず、定番を作り続け、工程内ではゴミを出さない。販売後はその古着を回収し、それを原料として再度使うというサーキュラーエコノミー(循環型経済)を確立するということに行きつきます。現段階でも既に究極に近いと思い、悩んでいます。
先日、私が参画する団体(社団法人TextileUpcyclePlatform)は大阪・関西万博の2年前プロジェクトのART展に参加しました。
色んな業種の集まりのなか、皆で一つのアートを制作しました。
テーマは「うまれかわりの木」です。
土台になる木も全て廃棄物から出来た、アップサイクルオーナメントです。
捨てる前に人の手を加えることにより、別の用途を楽しむというものです。
他社と共同で色んな素材を持ち込みそれを原料に作るのですが、その時点で異素材です。楽しさと難しさを得た機会でした。
皆で何か作ったとしても、素材や色の違いで次の段階では分別しにくい状態のモノになります。
まずは、自社でサーキュラーエコノミーを実践し、そしてどの企業もそれが出来れば、少なからずともファッション産業は「環境の破壊者」のレッテルをはがしていけるのではないかと思いました。若しくは1つの企業で出来なければ新たな分業の仕組みを考えることが必要と感じます。
7年後の2030年に向けてどこまで出来るのか。更に試行錯誤です。