こよみと暮らす 第十七回『小雪』

こよみと暮らす
こよみと暮らす 第十七回 小雪
山の紅葉は頂から徐々に麓に下りてくる。街路樹が赤や黄色に変われば、山は雪をかぶりはじめます。

時折、襟元を抑えたくなるような冷たい風が吹くようになったこのごろ。二十四節気では「小雪」です。視点を少し遠くへ渡せば、季節の移り変わりを感じられます。

イチョウ並木の下には少しずつ黄色の絨毯ができ始めています。風が吹けば、カサカサと乾いた音を立てて落ち葉が舞う。

緑だった葉は、黄色に赤に。深く濃い赤に染まった葉は、日陰で見ると黒っぽく感じることもありますが、夕日の強い光に透かされると、つかの間鮮やかに見え、ハッと心が動かされます。
こよみと暮らす 第十七回 小雪
『山帰来』Photo 井上博道
この時期、赤い実をつける植物もいくつかあります。写真で紹介しているのは、「山帰来」の実。サルトリイバラと呼ばれる蔓性の植物の一種ですが、山帰来には棘がなく、根茎の部分は土茯苓という漢方薬の原料に使われてきました。

病人や年老いた人が山でこの植物を得て、元気を取り戻して帰ってきたという由来から「山帰来」という名前がつけられたといいます。

群生する枝ぶりは蔓が絡み合ってダイナミックですが、この時期花屋さんなどでは、かわいらしいリースの材料として山帰来が売られていることもあります。

セイヨウヒイラギや南天などの赤い実を飾ると、まもなく訪れるクリスマスやお正月など冬のお祝いごとを連想して、どこかワクワクしてきます。寒さが増すこの時期だからこそ、日々暮らす家のなかを明るく飾って、温かい気持ちで過ごしたいものです。
この冬、幡から新たにお届けする「かやスラブ」の洋服は、そんな時間にそっと寄り添ってくれます。

従来の蚊帳よりも、さらにふんわりと空気を含むスラブ糸の生地でつくったラウンジウェア。ショールカラーのついたハオリは襟元も温かく、腰回りまでカバーする丈で、いつもの装いにさっと一枚合わせられるアイテムです。

綿100%の優しい肌触りは、乾燥しがちなこの時期、化繊の肌着が刺激に感じる方にもうれしい使い心地です。トップスや、ワンピース、パンツは特に、その柔らかい手触りを実感できるはず。

ベーシックな色味が多いので、ほかのアイテムを重ねて着るときにも使いやすいと思います。
足首、手首を冷やさないように、トップスの袖ぐりなどにはリブを使用しています。袖口を絞ることで、シルエットをふんわりとまとめてくれるリブ。インド産のオーガニックコットンを選びました。

小さなパーツを選ぶときにも、なるべく環境に負荷の少ないものを。少しずつでも、原料を生産する人たちへの思いを形にできたらと思います。
洗うたびに風合いが柔らかく変化する蚊帳。長く楽しめるものを選ぶことも、サステナブルな暮らし方のひとつ。肌に感じることも、目に見えないところにも、安心して選んでいただける理由がある洋服。親しい方へ、冬の贈り物にもおすすめです。

部屋着は案外、あり合わせで済ませてしまうという人も多いかもしれません。華やかなプレゼントもいいけれど、何気ない日の、ホッと一息つく時間に寄り添う洋服を贈ってみませんか。

今回ご紹介した商品はこちら…

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