【幡にふれる】食卓に新たな色を

幡にふれる
井上企画・幡の広報担当が、ものづくりや商品企画の裏側をお見せします。

「麻は和風」
そんなイメージが根強くあるように思います

前回、手績み・手織り麻である「旧製生平」の魅力に迫りました。(前回の記事はこちら)手間と時間を存分にかけた麻生地のテーブルウェアは、重厚な雰囲気が味わい深いです。

でも、お皿によっては、なんかしっくりこないことがある。

麻のランチョンマットを愛用しているお客様からそういったお声がありました。
確かに、井上企画・幡が麻のテーブルウェアをつくり始めてもう34年。当初「和モダン・日本の色」をコンセプトに始まったシリーズですが、昨今の暮らしは、北欧、ナチュラル、アジアン…いろんな要素を取り込んで、どんどん多様化しています。

そこで、従来とはひと味違う、新たなテーブルウェアの企画が始まりました。
目指したのは「シンプルな白いプレートにも合わせやすいテーブルウェア」
麻の質感が楽しめて、気楽に日常使いができるもの。

まずは生地です。

麻の節の存在感が強くなりすぎないよう、経糸に紡績糸、緯糸に手績み糸を使った、手織りの生地を選びました。わたしたちは、半分手績み・半分紡績の意味で「半手紡(はんてぼう)」と呼んでいます。
機械で紡いだ糸を使っている分、旧製生平よりも、さらりとしたテクスチャが魅力の生地。麻の風合いは十分感じられますが、あっさりした表情です。

そして、色。

様々な候補を挙げ、日本の美意識を現代の生活様式に取り込むにはどのような色がいいのか、色見本を並べながら絞っていきました。

選んだ色は、透明感とくすみのある6つの色。 石、鉱物、木、葉、花、土といった自然界の色からインスピレーションを受けています。

様々なテイストのインテリアと馴染みがよく、器の素材も選びません。暮らしの中に溶け込む6色は、どの組み合わせでもしっくりくるので、難しいセンスは不要です。

春のテーブルコーディネートやお菓子を乗せるときは、甘めな「灰桜」色や「刈安」色が良いかもしれません。「びんろうじ」色には、つるっとしたガラス鉢が映える。ニュートラルな「絹鼠」色に木の器を載せれば、ほっこりし過ぎない新しい見え方に。

四季の移ろいやその日の気分に合わせて、あれこれ組み合わせるのが楽しそうです。

そうして完成した新しい麻のテーブルウェアシリーズは、毎日の食事を引き立て、質感と色をさりげなく足してくれます。

みんなでわいわい囲む食卓はもちろん、ひとりのごはんでも、忙しい朝ごはんでも、ぱっと取り出し、ささっとひく。
肩肘張らない暮らしの道具で、食事の時間に新たな習慣をつくってみませんか。

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